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Lee-Byung-hun addicted

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第12話

『I'll dream of you again』 scene12



「ただいま~。あれ、お父さんいないのかな。」
人気のない家の中を揺は見回した。テーブルにはメモが一枚。
「綾を迎えに成田に行きます。ビョンホン君またね。  幸太郎」
「エビには用無しってことか。」揺は呆れたようにつぶやいた。
「どうしたの?」とビョンホン。
「ん?お母さんがフランスから帰ってくるみたい。成田に迎えに行くって。そうだあなたの飛行機は?」
「羽田20:00」
「良かった。まだまだ時間あるじゃない。どこ行こうか。とにかくまずこのビチャビチャの服を着替えないとね。」
揺はそういうと水で濡れた自分のTシャツをつまんだ。
「揺・・」ビョンホンはそんな彼女を眺めながら話しかけた。
「ん?」
「こうやって見ると透けてる君もなかなかセクシーなんだけど。」
「あら、セクシーだなんてなかなか言われたことない誉め言葉だわ。さては下心ありありね。」
「そういうの下心っていうの?こんなあからさまに愛してるって言ってるのに。」
そういうとビョンホンは揺の腰を抱き寄せて彼女の目をじっと見つめる。
「ビョンホンssi・・・・」
二人の顔が近づき唇を重ねようとした・・・・瞬間「ハクション!」ビョンホンがとてつもなく大きなくしゃみをした。
「もう・・・・・ビョンホンssiったら!」揺は呆れてただ笑うばかりだった。

シャワーを浴び着替えた二人は庭の芝生の上に並んで寝転んでいた。
「あ~~気持ちいいね。」
秋の真っ青な空の下ビョンホンは目を瞑ったまま思い切り伸びをした。
「うん。こうしてるとあの日を思い出すわね。」揺もそういいながら彼の隣で目を瞑っている。
「どの日?結婚の約束をした日?それとも・・・・」
「えっ?」
「生まれたままの姿で愛し合った日?」ビョンホンはそう言って意味ありげな眼差しを揺に向けると彼女の首筋に優しくキスをした。
「さあ・・・・どっちかな。どっちもかな。だって・・どっちのあなたも魅力的だし・・いつも違うから。」
揺はくすぐったそうに笑いながら答えた。
「ん?どういう意味?」ビョンホンは不思議そうに訊ねる。
「つまりね。キスしたり愛し合ったりする度に新しい発見があるっていうか・・。だからどのあなたも忘れられないわけ。」
「例えばどんな風に違うの?」ビョンホンは彼女に首筋にキスの雨を降らせながらまた訊ねた。
「どんな風にって・・・そんなの説明できないわよ。う~ん。優しかったり激しかったり・・・」
「揺はどっちが好き?優しいのと激しいの。」
彼の唇はそう訊ねクスッと笑いながらも休むことなく彼女を愛し続ける。
「ん~~~だから・・・・どっちも」揺は笑いながらそう答え
二人はにっこりと見つめあい熱いキスを交わした。

「芝生がお風呂場についちゃって・・・掃除が大変だったわ。」
タオルを頭にかぶったまま風呂場から出てきた揺は一足先に出てきたビョンホンに後ろから抱きついた。
「ねえ、何やってるの?」
「ん?君のフィルムライブラリーをチェックしてた・・・。ねえ、これって「ゆれる」の西川監督の作品じゃない?」
「おっ、勉強してるね。そう。彼女の初監督作品。面白かったわよ。字幕ないけど・・観る?」
「観たいけど・・・今は時間が惜しい。」そういって彼は揺を抱きしめた。
「そうね。映画はいつでも観られるものね。私はなかなか食べられないもの。」
揺はそういうと悩ましげな上目遣いに彼の目を見つめた。
「もう・・・・揺ったら・・・」




「遅くなっちゃったね。お昼何食べたい?」揺はTシャツをかぶりながら彼に訊ねた。
「え、揺がいい。」
「お約束どおりありがとう。でも腹が減っては戦は出来ぬっていうのよ。まずはしっかり食べないと。あ、そうだ。牛丼作ろうか。大好物なんでしょ?」揺はそういうとケラケラと笑った。

「ねえ、もうちょっとゆっくり食べたら?」
ガツガツとどんぶりを抱えて牛丼をかきこむ彼に揺は笑いながら声をかける。
「×#〇$*ё@・・・・・・・」
「何言ってるんだかわかんないよ。」揺はげらげらと笑って彼の口の傍についたご飯粒をつまんで自分の口に運んだ。
「ああ・・・・旨かった・・・・揺、吉野家で働いてたの?」
「??ねえ、何でビョンホンssi吉野家なんて知ってるの?」揺が驚いて訊ねた。
「ずっと前に最初に食べた牛丼が吉野家のだったんだ・・・それが美味しくってさ。あれから高級なのもいろいろご馳走してもらったけど大きい声では言えないけどあの吉野家の牛丼が一番美味しかった気がするんだ・・・。今日のはそれに近い。」
ビョンホンは満足そうにそう答えた。
「喜ぶべきなのよね。美味しいって言われたんだから。」
「ん?」
「ううん、別に。良かった気に入ってもらえて。こんなのだったらいつでも作ってあげるから。」
「うん。ソウルに来たら母さんとウニにも食べさせてやってよ。」
「え、牛丼を?」
「うん。」
「何だか料理上手の嫁からは程遠いけど・・・ま、いいか。美味しいのが一番よね。」
そういうと揺はケラケラと笑った。

「こうやってお皿を洗うのも久しぶりだね。でも揺がソウルに来たら毎日洗える。」
ビョンホンは嬉しそうにそういった。
二人が台所に並んで牛丼の入っていた丼を洗っていると玄関のチャイムが鳴った。
「誰かな?」



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